インターネット直接民主制で、そんな一気に全部解決しようとしなくてもいいんじゃない?

私もTwitterでつぶやいたりはてブにコメ残したりしてます、おととい深夜(10/24未明)の朝生での東浩紀さんの「インターネット直接民主制」への民放テレビ内での言及「事件」について。

「事件」後の、特にはてブの皆さんのコメをつらつらーと呼んでいて「おお、意見割れるんですねえ今の世の中(というかネット内≒はてな民の間)だと…」という感想を持ちました。
それに対してちょっと自分なりに少し長めでコメントしたいなあ…と思いまして久々に日記を更新するつもりになった次第。
ああ私はあずまんの意見の方向性に「かなり賛成」な立ち位置です。

「事件」のソース抜粋

私は普段やってるTwitterのTL観てて「朝生に出る」っていう東さんのつぶやきを見つけ慌てて朝生をワンセグで観たクチでした。

その翌日、「事件」の第一報を伝えたJ-CASTの記事が以下

「国民が政策にじかに介入できるようにちゃんとシステムを作って、政策審議過程を全部透明化し、パブリックコメントのシステムをもっと洗練された形にすることによって、全然違う政策の作り方ができるかもしれない。たとえば基礎自治体(市町村)のいくつかなんて、SNSソーシャル・ネットワーキング・サービス)で運営すればいいと思う。ミクシイとかで」

「ネットがあれば政治家いらない」 東浩紀「SNS直接民主制」提案 : J-CASTニュース

そのブクマと、私がつけたメタブ

はてなブックマーク - 「ネットがあれば政治家いらない」 東浩紀「SNS直接民主制」提案 : J-CASTニュース

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ネットの中でも意見が割れてる

特にはてブを読んでいくと、「肯定」「ネタ扱い」「否定」「Disり」と皆さんコメント意見分かれてますよねえ。
もう少し「肯定寄り」に偏ると想像していた私ですが、これは若干ですが意外でした。
でもまあ、これが「想像力が追いついていない」という現在の状態なんだろうなーとも素直に感じました。

また疑問に思ってる皆さんの意見のうち「2ちゃん化して衆愚してくのはどうするの?」には、私も実現を阻害する重要な要因だと認識しています。これをクリアしないと。

でも、政治家の機能の「半分」だけでもネット化すればよいのでは?

で、私の個人的な実現案を(政治素人な理系人間の適当な知識ベースですが)以下まとめてみます。

「課題抽出→政策の立案、までをネット化して、その政策案を官僚と揉んで立法化する部分だけ代議士を立てれば?」

というのが、私の主張のベースです。

現在の日本という国の時代状況に合わせると、この範囲の制度だけをネット化すれば十分では?

(その1)国や自治体の持つ情報を、原則全てデータでインターネット公開

まずこれから。お金かける必要がありますね。多分段階的にしか公開は進まないと思います。

(運営条件)

  • Webで公開、認証不要
  • 閲覧は無料
  • 国や自治体の扱う全ての統計情報、またその統計元情報を公開
  • ただし個人が特定できる情報や外交・軍事・宮内庁の情報は伏せる*1
  • また、国や自治体の制定する全ての法律の条文*2
(その2)解決したい政治的課題を国民の誰もが自由に投稿できるサイトの構築(課題顕在化サイト)

このサイトで、皆が注目する政治的課題をインターネット上に顕在化させる役割を担って貰います。
お題の抽出機能です。

(運営条件)

  • 国や自治体が運営すべき(勝手サイトではいけないと思います)
  • 匿名での投稿もOK
  • 他の国民から「はてなスター」のように「これ大事」と思った課題に対してチェックを入れてもらい集計して優先度を決める →課題のスクリーニングを行う*3
  • 課題には全て課題IDとURLを割り振り、このサイト以外の例えばブログ等の議論からも参照元として引用が可能にする

まあBTSみたいですね。

(その3)課題顕在化サイトの課題に対して、起きた議論へのリンクと具体的な政策案コンテンツの両方を投稿できるサイト(議論・政策提言サイト)

ここまでネット化しておいて「政治的課題に対する議論までこのサイトでやれ!」という仕組みでは意味がないので、次のサイトでは「議論まとめサイト」と「で、最終的に何種類の政策が有望そうなんだ?」という状況を顕在化できる機能に絞って実現します。

(運営条件)

  • 議論は外部のブログでやって貰う(2ちゃんねるでも構わない)
  • 議論・政策提言サイトでは課題顕在化サイトでの課題IDを引き継ぐ
  • 外部ブログでの議論の当事者がこの課題IDに対してトラバを打って紐付けたり、第3者がサイト側のブクマ機能でブックマークして紐付けたりする機能を付ける
  • 政策提言サイトは反対に、具体的な政策コンテンツをサイト上に投稿する*4
  • 政策案には、その元となった議論へのリンクを作ることができる
  • 政策案の投稿は組織名・個人名どちらかの「実名投稿」とする*5
  • 政策案の投稿者は、過去の政策案実績も閲覧できるようにする
  • 議論、政策案ともにやはりIDを割り振り、これで外部からの参照を許可
  • 議論、政策案ともにやはり「はてなスター」的な簡易評価、ランキングシステムを採用してスクリーニング*6
(その4)政策案を官僚に持ち込んで立法化の活動を行う「代議士」の選定サイト

ここから段階的に「政治家」機能を使います。
ですがあくまで政策案を官僚に検討・具体化して貰う為の窓口となる「代議士(代理人、エージェント)」という位置づけになります。
このサイトではこの「代議士」を皆で選定します。

(運営条件)

  • このサイトで扱われる情報は、原則全て公開となります
  • まず政策IDに対して、その政策案を取り扱う「代議士」を1人ないしは複数人決定できるようにします。
  • 「代議士」を決めるには、まず「代議士候補」を募ります。これは自分で手を上げて「立候補」するか、本人の意思とは関係なくとりあえず「第3者推薦」で候補にされるまでを可能にします。*7
  • 「代議士候補」ならびに「代議士」は全て「実名(国民ID)」となります。
  • 「第3者推薦」の候補は、本人意思で「代議士候補」を辞退する事ができます。
  • 「代議士候補」が一定条件を満たして揃ったところで、「推薦人」を募ります。
  • 「推薦人」も「実名(国民ID)」で行います。
  • 政策の対象自治体の規模や法律分野にもよりますが、例えば少なくとも3桁か4桁の「推薦人」を得て始めて「代議士」となります。
  • 「代議士」になった場合の活動費用は…どこから捻出するかまだ考えてません(汗*8
  • あと、1人の「代議士」が複数の政策案を受け持つことはOKとします。
(その5)代議士は、官僚と政策案の法制化について具体的に活動する

以上の制度を経ることで、「政策」ごとに「代議士」を立てる制度が出来上がります。
あとは代議士が官僚と政策案の法制化について活動を進めます。

(運営条件)

  • 活動内容の報告は全て公開すること(やはりサイトが必要)
  • 活動の過程で具体的な法律の文面が出てきたら、必ず公開すること
  • 活動中の政策案の方針変更についても公開する事
(その6)毎月、出来上がった「法律」を承認する為の「国民投票」を行う

あとは、最後の関所です。毎月月初とかに国民投票の日を設けます。
もちろんインターネット投票です。

(運営条件)

  • 国民投票庁…が、居るかも
  • 国民投票の対象は、普通選挙権を持つ国民
  • 承認される基準は、有効投票数の何割…かしら*9
  • 投票車両を用意して、毎月街を回ってPCが使えない方の投票を促進する

こんな感じですね。

以上になりますが、私の案の中で重要なのは

(その2)と(その3)のフェーズを経た政策案以外、代議士や官僚が取り扱うことができなくする

という点です。

官僚側の負荷を考えると、「代議士」自体を無くす事は現実的ではないかなと考えます(窓口をある程度は絞らないと)。

ずいぶん長くなった…

すいません結構考え始めると沢山機能がいるなあと思い始めて書いてしまいました。

どなたか賛成・反対ご意見あればコメントやらお願いします。あ、でも承認制になってます。

*1:個人情報を伏せても十分有用な情報だと思います

*2:これ重要。ブログの議論でも法律を意識すると引用元が簡単にリンクできると引き締まるはず。編集不可能なWikiが良いと思う

*3:だたし原則、投稿された課題は全部消さない。利用者が「ランキング上位のみ表示」「全て表示」等のレベル分けを自分で選択できるような機能として実装

*4:政策案の存在を特定・証明する為

*5:ここからは投稿者の特定が必須、国民IDが必須ですね、また成人のみに限定となるでしょう

*6:ただし、課題顕在化サイトで評価の低かった課題でも、政策案の段階で評価が高いならばそれはそれで次の段階に進めても良いものとする(課題と政策案は独立して評価)

*7:この方がネット的だと思います

*8:単純に税金でやるとなんちゃって代議士を生む温床になるので、もしそうなら厳罰にする?いやそれより推薦人からのカンパの方が良いのだろうか…

*9:当然最低有効数も設定